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安野光雅(絵本作家)
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メッセージ
escher × 安野光雅
ずいぶん昔の話です。野田弘志※さんがエッシャーの作品が載っている雑誌を見せてくれました。「壁にかける絵」という考え方からは、遠くはなれた絵だと思いました。はじめは、そんな絵があっていいのかと思いましたが、わたしの凝り固まった考え方は、そのとき変わったのだと思います。野田さんは、「エッシャーに写実の力があるから、このような絵も描ける」、と考えたのではないでしょうか。エッシャーは、わたしたちに、ミラクルの世界を見せてくれたのです。
アムステルダムから、有名なオランダの大堤防を通って北へ進むと、エッシャーの生地レーワルデンという大きい町に出ます。わたしは、突然思い立って、その町の市役所へ行きました。
そして、エッシャーの作品はどこに行けば見られるか?と聞きました。その人は、役所の裏庭にわたしをつれていき、「コレ」と言って丸い柱を見せてくれました。そこに描かれているものは、模様ではなく、絵であり、しかも円筒というキャンバスに描かれたふしぎな作品でした。
絵を描いている人は、みんな同じ道を進んでいるように見えるかもしれませんが、本当はちがいます。誰か、他の人の影響下にあるうちは、その人以上にはなれないし、人は美術上の問題にもしません。年月はかかるでしょうが、あきらめずに歩いていけば、きっと自分の世界が開ける時がきます。そのための努力を惜しまぬことだと思います。
エッシャーは一人で、自分の世界を見つけたのです。
歴史に残るのは、その人が創りだした世界だけです。
安野光雅
Profile:安野光雅(あんの・みつまさ)/ 画家・絵本作家
大正15年 島根県津和野町生まれ。旧山口師範学校研究科修了。昭和43年 「ふしぎなえ」で絵本作家としてスタート。出版した絵本、水彩画集、エッセー集は200冊を超える。国際アンデルセン賞、紫綬褒章、平成20年菊池寛賞、平成24年文化功労者。
※野田弘志…画家。1936年生まれ。1960年白日会展白日賞。1961年東京藝術大学美術学部油画科卒業。学生時代から驚異的デッサン力で日本の美術界を驚愕させた。
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