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メッセージ
escher × 上田誠(劇団ヨーロッパ企画)
出会ったのはずっと昔だったと思いますが、何年か前にエッシャーの人生を綴ったドキュメンタリーを観て「出会い直した」ような感じです。一つの着想をもとに思考を掘り下げ、技法として確立し、それらをまた次の作品のしかるべき部分に忍び込ませながら、新たな次元を切り開いてゆく。しかも観客を引き連れて。この繰り返しは作り手として理想の生のありかただし、その一生に凄まじい憧れと畏れを覚えます。

エッシャーは、本当にかっこいいアーティストだと思います。着想そのものは取るに足らない、見過ごされがちな、馬鹿にされそうな、そんなちょっとした空間のささくれなんです。それを見過たず抽出し、丹念に磨き上げ、執拗に繰り返し、あるいは精緻に組み合わせて、ちょっと馬鹿にはできない一つの妙な時空を平面上に生む。しかも使う材料は最小限。白と黒、記憶の断片のモチーフ。近場の虫や鳥やがらくた。なのにできた作品は、最大の効果を生んでいて、過不足なくて、ユーモラスで可愛くて、この世のどこにもない。そんな異世界への窓が相当数並ぶという、ちょっとどうかなりそうな展覧会です。

「ミラクル エッシャー展」で展示される作品も、もう本当にどれも文句の付けどころをエッシャーさんがくれないんですけど、中でも「三つの世界」はシンプルながら世紀の大発見というか大発明だと思います。ひとつの画角の中に水上と水面と水中という3つのレイヤーを見出したのも凄ければそれを彫ったのも凄い。さらに情感が伴っているのも、そのことさえどこかパズリックなのも。  
上田 誠
Profile:上田 誠(うえだ・まこと)/ 脚本家・演出家・「劇団ヨーロッパ企画」代表
1979年京都市生まれ。創作のベースを京都に置きながら、作品を全国に発信している劇団ヨーロッパ企画の代表であり、全公演の脚本・演出を担当している。主な作品として映画「サマータイムマシン・ブルース」「曲がれ!スプーン」、アニメ映画「夜は短し歩けよ乙女」脚本(2017年)※第41回日本アカデミー賞 最優秀アニメーション作品賞受賞 、テレビアニメ「四畳半神話大系」シリーズ構成・脚本(2010年・フジテレビ) ※第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門で大賞受賞。2017年「来てけつかるべき新世界」で第61回岸田國士戯曲賞受賞。同年第36回公演ではだまし絵をめぐるだまし絵コメディ「出てこようとしてるトロンプルイユ」を上演。
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《メタモルフォーゼⅡ》1939-1940年

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